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カナダのクレチアン首相 カナダ使節団の派遣で人権問題を強調され、プレッシャー高まる

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2001年2月4日
カナディアンプレス

カナダ クレチアン首相

(オタワ)カナダのクレチアン首相(右写真)は、今週(二月五日の週)、中国にカナダ通商使節団派遣を準備しているが、中国カナダ相互の貿易関係改善と同様、人権問題の促進に焦点を合わせるよう圧力を受けている。与党からもいくらか圧力が出ているほどだ。中国の人権は更に悪化している事態となっており無視できるものではないとモントリオールの人権派弁護士で自由党員のアーウィン・コルターは述べた。

「貿易と人権は相互関係にあると見なされるべきで、正反対のものではなく、補足しあうものだ」

「貿易は国家、社会間の関係を解放するのに役立つことができるが、相互の関係が貿易だけにあるのなら、我々は貿易を建設的な関係のためでなく、結局、抑圧を覆いごまかすものとして使うことになるのだ」

コルターは、首相に対して人権を強調するよう促した野党の一人である。これに対して政府は、首相がいつ中国側のリーダーに会ってもそのような関心事を取り上げると述べた。コルターは先週の開院式の演説で、政府が以前人権問題を促進させたいと繰り返したことを付け加えた。これに対し政府は、首相顧問によって作成された演説で、「民主主義、公平、世界的規模の社会安定の強化」の為に努力をし、国際発展の援助を増やすと約束した。首相とカナダ全土の有力者らは、ニ月九日に出発する北京、上海、香港十日間の視察の際、中国との貿易関係を促進する為に300以上の商業や教育の指導者らと合流することになっている。

今回で中国へのカナダ通商使節団は二回目となるが、非民主的で抑圧的な体制下で商業取引をすることをめぐり再び論争の引き金となった。コルターを始め、民主運動活動家や国会議員らのグループは、火曜日に記者会見をすることになっていて、北京当局からより多くの自治を求めているチベットに代わって仲介をするよう首相に促す予定だ。

「カナダが中国とそのような積極的な関係を発展させて以来、首相がダライ・ラマと中国側の代表の間に引き伸ばされた交渉の過程を飛び越えるのに、ふさわしい機会となった」と「カナダ・チベット・コミッティ」のスポークスマンのテンジン・ヤンドンは述べた。

仏教、道教、中国的な瞑想が混ざりあった法輪功の信者となり、中国の強制労働収容所で三年間の懲役刑に処せられた中国系カナダ人教授の解放を得るため、コルターはその交渉に果敢に立ち向かい勝利を得、去年メディアの注目を受けることになった。99年に禁止となった法輪功の中国政府による厳重な取締は、最近、西側のメディアの注目をひいている。中国の多くのキリスト教会、道教や仏教のお寺もまた、襲撃され閉鎖されてきているとコルターは述べている。

「我々はなかなか改善されない人権や宗教の自由に対する侵害を糾弾する」

知識人や反政府派への組織的な取締も増加しており、国家の安全に対して脅威とみなすことを排除する向きがあると、コルターは非難した。

当局はまた、独立や海外のニュースサイトにリンクしたインターネットユーザーやウェブサイト運用者を苦しめ逮捕しているとも付け加えた。こうした厳重な取締は、中国政府の統率力強化の為に行われたようで、インターネットの世界規模の広がりが自分たちの支配を腐食させるのではないかと脅威を抱いているらしい。イギリス議会の外務省委員会は、中国の悪化する人権状況を鑑み、2008年のオリンピック開催有力候補である北京はオリンピック開催地となるべきではないとした。